平飼い養鶏

あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!

昨年、元ビジネスマンの田中は、農家の働きぶりにただただ驚くばかりの日々でした。働きづめの私をそばで見ていて「仕事にはオン・オフが必要、休みを取らなくてはいけない」と言いながら、彼も連日鶏の世話に明け暮れました。そして、この三が日も同様の日々です。
合鴨が3羽、鶏小屋に同居しています。昨年の合鴨は大柄で白いアヒルの血が濃い品種が生き残り、その合鴨が正月卵を産みました。鶏小屋の中に産み落とされていた大きな白い卵を見つけた田中は「餌を我先に食べにくる合鴨に、昨日までは卵も産まずに、鶏が先だよと邪険にしていたが、今日はどうぞどうぞ召し上がれっていう気持ち。去年は田んぼで働いてくれたし、その上今年は酉年だしね。」と。

今年の皆農塾は、一層のジジ・ババ農園に移行します。若い者は自分の家族を支えるために一心不乱に働くでしょう。私たちは、出会いと体験・孫世代の育ちの場を守ります。(恵子・田中)

 

≪連載 17年前の志≫ 2000年の作文から        夏世(20歳)

研修を半年終えて、農業に対する思いが幾分か変わった。初めのころは宗教的な動機もあって、土に触れていると救われるような気がして嬉しかった。もっぱら、根切り虫やニジュウヤボシテントウムシを殺し、精一杯土に根を張る雑草を除去しながら、自分一人が生きていくのに、こんなにほかの命を奪わなきゃならないのかと思って悲しかった。だが、青い空、風に揺れる緑一面の麦畑に囲まれていると、心がすーっと落ち着いて気持ちよかった。一年をかけて自然の中の農業というものを考えていこうとその時決意したことを覚えている。

初めて、自分で植えたものを収穫したのは、5月の半ば、雨避けハウスで作ったキュウリだった。脇芽欠きから整枝の仕方まで、わからないなりに言われたことを間違えないように気を付けて面倒を見た。多い時には1コンテナ分獲れ、それを自転車の前のかごの上のせるのが難しく、足にあざがたくさんできた。それでも事務所に持って行き、きれいなキュウリを見てもらうのが楽しみだった。

6月になると、きゅうりの葉に病気が出始めた。毎朝もう10分早くに研修所を出て、病気の葉を取った。取った葉を山羊のミミにやるようにして、乳しぼりに利用した。変な形のキュウリもおまけにあげた。7月、ジャガイモの収穫が済むと、一気にニジュウヤボシテントウムシがハウスに飛んで来た。きれいなキュウリにひっかき傷のような足跡がたくさんつくようになった。葉っぱもかなり喰われている。そこで初めて、虫を潰す手に力が入った。見つけたら必ず射止めるようになった。

しかし、キュウリばかりに時間をかけられないようになってきた。他の畑のあれもこれもの仕事が入ってきたからだ。夏の野菜はどれも初めて。一から学んで・・・(続く)
*彼女は当時ダライラマに傾倒していた。車社会も嫌いで、自転車と背負いかごで動いていた。