畑の土には様々なものがあります。
砂の様にサラサラの土や、粘土のようなネチョネチョの土。森の中の様にふわふわの土や、岩石の様にかたーい土。
私たちの畑は8か所ありますが、同じ地域の中でも、各々の畑で土質が違います。
粘り気のある土は水が抜けにくいので、里芋やナスなど、水が沢山欲しい作物を植え、
砂質に近い土は堀りやすい様に大根や人参を作るなど、野菜によって畑を使い分けます。
中でも「ふわふわの土」というのは、雨が多く降った時は下へ抜けていってくれて、
乾燥が続く時には水を中に蓄えておいてくれる、野菜の生育にとても適した土です。
落ち葉や藁などの有機物が少しずつ崩れた「堆肥」はこの様な状態になります。
手に持つともう少しで土になりそうなボロボロしたもの。それこそ森の中の土のよう。
こんな状態は野菜が育つ時にはとっても良い環境です。
ポットで苗を育てる時にはこの堆肥を使っています。
羊の床に敷いた麦わらや集めた落ち葉を積んで、2・3回切り返すと、1年ほどで良い状態になります。
また、冬の寒い時期には、堆肥を作る時にでる発酵熱を夏野菜の育苗に利用しています。
囲いの中に、落ち葉や藁をぎゅうと詰め込んで、水と肥料を混ぜて踏み込んで作る「温床」。
真ん中の温度は約60℃ほどにまで上がります。
外が寒い冬の気温の中でも、自然の熱を利用して、
夏の野菜が好きな温かい温度を保ち、早い時期から育て始めることができます。
もちろん、温床の中身は次の年の育苗の土にもなり、とっても良い循環ができます。
広い畑に全面、堆肥を使うことはかないませんが、
有機物を畑の中にすきこむために作る肥料用作物の「緑肥」や、
微生物の力を利用するための自家製発酵肥料を作り、
それらを畑に混ぜ、野菜が健康に育つために土づくりを大切にしています。